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第1194部-電子情報技術のアクセシビリティスタンダード

A節-総論

B節-テクノロジースタンダード

C節-機能のパフォーマンス基準

第1194部第31条 機能のパフォーマンス基準

D節-情報、ドキュメンテーションおよびサポート

第1194部第41条 情報、ドキュメンテーションおよびサポート

第1194部の図

出典: 29 USC 794d

A節-総論

第1194部第1条 目的

第1194部は、1973年リハビリテーション法第508条の修正版(29 USC 794d)を実施することを目的とする。第508条では、連邦政府機関が電子情報技術の開発、調達、保守または利用を行う場合、連邦政府機関に過度の負担の生じない範囲で、障害のある連邦政府職員が、障害のない連邦政府職員と同等に情報およびデータにアクセスすることができ、またそれを利用できなければならないと定められている。また同508条では、連邦政府機関に過度の負担が生じないことを条件として、連邦政府機関からの情報を検索したりサービスを受けようとする障害を持つ個人は、障害を持たない個人に提供されるのと同等に情報およびデータにアクセスすることができ、またそれを利用できなければならないとしている。

第1194部第2条 適用

(a)第1194部の適用を受けるプロダクトは、第1194部に該当する規定に準拠しなければならない。各連邦政府機関は、電子情報技術の開発、調達、保守または利用を行う場合、過度の負担が生じない範囲で、そのプロダクトが第1194部の該当する規定に準拠していることを保証しなければならない。

(b)プロダクトの調達に際し、連邦政府機関が第1194部の規定に準拠するプロダクトを市場において入手できる場合または政府の依頼に応じて当該プロダクトを開発可能な場合には、規定に準拠するプロダクトを調達しなければならない。連邦政府機関は、すべてのスタンダードを満たすプロダクトが市場に存在しないことを理由に、あるプロダクト全般を製品として市場で入手することが不可能であると主張することはできない。スタンダードのすべてには適合しないが、一部の基準には適合するプロダクトが製品として市場で入手可能であれば、連邦政府機関は、最も良くスタンダードに適合するプロダクトを調達しなければならない。

(c)第1194部第3条(b)の規定に該当する場合を除き、連邦政府機関によって直接開発、調達、保守または利用される電子情報技術に、第1194部を適用するものとする。但し、請負人が電子情報技術を利用する場合は、サービスの実施またはプロダクトの提供において、そのプロダクトの全面的な使用、またはかなりの程度まで使用を要求することができるという連邦政府機関との間で締結された契約に基づくものとする。

第1194部第3条 一般的適用除外

(a) 第1194部は、連邦政府機関が運用する電子情報技術のうち、諜報活動、国家安全保障に関連した暗号作成、軍の指揮および統括、武器または武器体系の重要な部分となる機器、または軍もしくは諜報活動の直接的な任務遂行にとって極めて重要なシステムに関連する電子情報技術の機能、運用あるいは利用については、適用されない。軍または諜報活動の任務の直接的遂行にとって極めて重要なシステムには、行政の通常業務および社内業務(給与支払い、会計、ロジスティックスおよび人材管理を含む)に使用されるシステムが含まれない。

(b)第1194部は、契約に従って請負人が取得した電子情報技術には適用されない。

(c)第1194部の規定に準拠するために義務づけられている場合を除き、第1194部は、障害のない連邦政府職員の職場に、特別なアクセシビリティ関連ソフトウェアのインストール、あるいはユーザー支援技術装置の取り付けを行うことを義務づけるものではない。

(d)連邦政府機関が電子情報技術を利用して情報またはデータへのアクセスを国民に提供するとき、連邦政府機関は、その電子情報技術が国民に提供されている場所以外の所で、連邦機関が所有する機器を障害者によるアクセスおよび利用のために提供する義務、およびその電子情報技術が国民に提供されている場所以外の所で、障害者がアクセスおよび利用できるようにするために機器を調達する義務を負わない。

(e)第1194部は、プロダクトまたはその構成要素の性質を根本的に変更することを義務づけるものと解釈すべきではない。

(f)サービス担当職員が機器の保守、修理または臨時点検の目的だけのために立ち入る場所に置かれているプロダクトが、本条に準拠する必要はない。

第1194部第4条 定義

第1194部では下記の定義を適用する:

連邦政府機関(Agency):連邦政府のすべての省および機関。米国郵政公社も含まれる。

代替フォーマット(Alternate formats):障害者が利用できるフォーマットで、点字、ASCIIテキスト、大きな活字、録音音声、および本条に準拠する電子フォーマットなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。

代替手段(Alternate methods):プロダクトドキュメンテーションを含み、障害者に情報を提供するための様々な手段。音声、ファクシミリ、中継サービス、TTY、インターネットメールサービス、字幕化、テキストから音声への変換、音声解説などが含まれるが、これに限定されるものではない。

ユーザー支援技術(Assistive technology):障害者の機能的能力を向上、維持または改善するために一般的に利用されているアイテム、機器またはシステムのことで、商品として取得されたか、改良されているか、カスタマイズされているかを問わない。

電子情報技術(Electronic and information technology):情報技術ならびにデータまたは情報の作成、変更または複製において使用される機器または相互接続システムもしくは機器のサブシステム。電子情報技術には通信プロダクト(電話など)、情報キオスクおよび情報取引機器、WWWサイト、マルチメディア並びにコピー機やファクシミリなどの事務機器その他が含まれる。プロダクトの不可欠の部分としてコンテンツ内蔵の情報技術が使用されている機器のうち、データまたは情報の取得、保存、操作、管理、移動、コントロール、表示、切り替え、交換、送受信を主な機能としないものは、電子情報機器に含まれない。例えば、サーモスタットや温度コントロール装置などのHVAC(暖房、換気、空調)機器、および情報技術が操作のための不可欠の一部である医療機器は、情報技術ではない。

情報技術(Information technology):データまたは情報の自動的な取得、保存、操作、管理、移動、コントロール、表示、切り替え、交換、送受信において使用される機器または相互接続システム、もしくは機器のサブシステム。情報技術には、コンピュータ、付属機器、ソフトウェア、ファームウェアおよび類似の手順、サービス(サポートサービスを含む)、ならびに関連リソースが含まれる。

操作可能なコントロール装置(Operable control):通常の操作のために物理的な接触が必要とされるプロダクトの構成要素。操作可能なコントロール装置には、機械的に操作されるコントロール装置、入力および出力トレイ、カードスロット、キーボード、キーパッドなどがこれに含まれるが、これらに限定されるものではない。

プロダクト(Product):電子情報技術

コンテンツ内蔵、クローズドプロダクト(Self contained. closed products):一般的にソフトウェアが内蔵されていて、通常ユーザーが容易にユーザー支援技術を取り付けたりインストールできないように設計されているプロダクト。この種のプロダクトとしては、情報キオスクと情報取引機器、コピー機、プリンター、計算機、ファクシミリ、その他類似のプロダクトなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。

電子通信(Telecommunications):ユーザーが指定する複数の地点間で、ユーザーが選択する情報を、送受信時に情報の形式および内容を変化させずに伝送すること。

TTY:テレタイプライター(Teletypewriter)の略。

コード化された信号を電話網を経由して伝送することによって、テキストベースの双方向通信を用いる機械もしくは機器。例えば、TDDと呼ばれる装置(聴覚障害者用通信ディスプレイ装置または通信装置)、特殊なモデムを備えたコンピュータなどがこれに含まれる。テキストテレフォンとも呼ばれる。

過度の負担(undue burden):過度の負担とは著しい困難または出費を言う。ある1つの行為が著しい困難または出費にあたるか否かを判断する際、各連邦政府機関は、プロダクトの開発、調達、保守または使用が行われるプログラムまたはその一部門に利用可能な当該連邦政府機関の全てのリソースを考慮しなければならない。

第1194部第5条 等価を容易にする代替手段

第1194部のいかなる規定も、第1194部で定められているデザインまたは技術の代替手段を利用することを妨げるものではない。但し、該当する代替手段のデザインまたは技術は、障害者用プロダクトへのアクセスおよびその利用を実質的に同等に、あるいはそれ以上に可能にするものでなければならない。

B節-テクノロジースタンダード

第1194部第21条 ソフトウェアアプリケーションおよびオペレーティングシステム

(a)キーボードを備えたシステム上で実行するソフトウェアを設計する場合は、そのプロダクトの機能が、キーボードで実行可能であり、機能自体または機能のパフォーマンス結果がテキストによって識別できるように設計しなければならない。

(b)アプリケーションは、他のプロダクトの機能が起動している時、それを中断したり無効にしたりしてはならないが、この場合、そのプロダクトはアクセシビリティー機能を有するプロダクトとして認められ、業界基準に従って開発され、ドキュメント化されていなければならない。また、アプリケーションは、アクセシビリティー機能を有するプロダクトとして認められているいかなるオペレーティングシステムにおいても、その起動している機能を中断したり無効にしてはならない。この場合、アクセシビリティー機能のためのアプリケーションプログラミングインターフェースはオペレイティングシステムのメーカーによってドキュメント化されているものであり、プロダクト開発業者に入手可能なものであるものとする。

(c)フォーカスは現在の位置を画面上で明確に表示されなければならない。また入力されたフォーカスの移動に応じて対話型のインターフェースエレメント間を移動するようにしなければならない。フォーカスおよびその移動をユーザー支援技術で追跡できるようにするため、フォーカスはプログラムによって読み取ることができなければならない。

(d)ユーザーフェースエレメントの特定、操作、状態を含む十分な情報がユーザー支援技術に有効でなければならない。1つの画像が1つのプログラムエレメントを表している場合は、その画像によって伝えられる情報がテキストとしても利用できなければならない。

(e)コントロール、ステータスインジケーター、その他のプログラム上のエレメントを特定するためにビットマップ画像を使用する場合、その画像の意味は、アプリケーション全体にわたって首尾一貫したものでなければならない。

(f)テキストによる情報は、オペレーティングシステムのテキスト表示機能を使って表示されなければならない。表示すべき最小限の情報は、テキストの内容、テキストの入力位置およびテキストの属性である。

(g)アプリケーションは、ユーザーが選択したコントラスト、色の設定、その他個人が設定するディスプレイ属性を無効にしてはならない。

(h)アニメーションが表示される場合、その情報は、少なくとも一つ以上の選択肢からユーザーが選択できるアニメーション表示以外の形態で表示できなければならない。

(i)情報の伝達、動作の表示、応答の促し、あるいは視覚的要素の識別のための唯一の手段として、カラーコードを使用してはならない。

(j)ユーザーが色とコントラストの設定を調整できる性能をもつプロダクトは、コントラストレベルの調整が可能となるような多様な色の選択肢を提供しなければならない。

(k)ソフトウェアは、2 Hz超55 Hz未満の周波数範囲で点滅または明滅するテキスト、オブジェクト、その他のエレメントを使用してはならない。

(l)電子フォームを使用する場合、そのフォームは、ユーザーがユーザー支援技術のフォームの記入と送信に必要なすべての指示と信号を含む情報、フィールドエレメントおよび機能にアクセスできるようになっていなければならない。

第1194部第22条 ウェブサイト利用によるイントラネットとインターネットの情報およびアプリケーション

(a)すべての非テキストエレメントについては、それと等価の代替テキストが提供されなければならない(例えば"alt"や"longdesc"を使って、あるいはエレメントのコンテンツでこれを提供するものとする)。

(b)マルチメディアによるプレゼンテーションの代替として提供される等価物は、マルチメディアによるものと同期しなければならない。

(c)ウェブページは、色分けによって伝達されるすべての情報が、色分け無しで(例えば文脈やマークアップ言語などから)理解できるようにデザインされなければならない。

(d)ドキュメントは、関連するスタイルシートを使用しなくとも読めるような構成としなければならない。

(e)サーバーサイドイメージマップを使用する場合、それぞれのアクティブ領域に別途テキストリンクを設定しなければならない。

(f)アクティブ領域を利用可能な幾何学的形態で定義できない場合を除き、サーバーサイドイメージマップの代替としてクライアントサイドイメージマップを提供しなければならない。

(g)データテーブルの行と列のヘッダは、どのテーブルのものかが分かるようにしなければならない。

(h)データテーブルの行または列のヘッダに2つ以上の論理レベルがある場合、データセルとヘッダセルを関連づけるためにマークアップ言語が使用されなければならない。

(i)フレームの識別とナビゲーションが容易に行えるように、フレームにはテキストでタイトルを付けなければならない。

(j)各ページは2 Hz超55 Hz未満の周波数帯で画面のちらつきが発生しないようにデザインされなければならない。

(k)ウェブページを第1194部の規定に準拠させる方法がない場合は、そのページを当該規定に準拠させるため、等価の情報または機能を備えたテキストのみのページを提供しなければならない。初期ページが変更されるときには、テキストのみのページの内容も必ず更新しなければならない。

(l)ウェブページの内容を表示したり、インターフェースエレメントを生成するためにスクリプト言語が使用されている場合、スクリプトによって提供されている情報は、ユーザー支援技術で読むことのできるファンクショナルテキストによって認識されなければならない。

(m)ウェブページの内容を解釈するために、アプレット、プラグイン、その他のアプリケーションがクライアントシステム上に必要な場合、そのページに、第1194部第21条(a)から(l)に準拠するプラグインまたはアプレットへのリンクを提供しなければならない。

(n)電子フォームがオンライン上で記入できるようにデザインされている場合、そのフォームは、ユーザー支援技術を利用するユーザーがフォームの記入と送信に必要なすべての指示と信号を含む情報、フィールドエレメント、および機能にアクセスできるようにデザインされていなければならない。

(o)繰り返し設定されているナビゲーションリンクをスキップできる方法をユーザーに提供しなければならない。

(p)一定の時間内に応答する必要がある場合、ユーザーにその警告を行い、時間の延長が必要であることを指示するための十分な猶予をユーザーに与えることができなければならない。

第1194部第22条の注:

1.アクセス委員会は、World Wide Web Consortiumのウェブアクセシビリティ構想によって発表されたウェブコンテント アクセシビリティガイドライン1.0(WCAG 1.0)(1999年5月5日)に示されているプライオリティ1のチェックポイント(下記表中)に本条の(a)から(k)の項目が一致していると解釈する。

第1194部第22条 WCAG 1.0 チェックポイント
(a) 1.1
(b) 1.4
(c) 2.1
(d) 6.1
(e) 1.2
(f) 9.1
(g) 5.1
(h) 5.2
(i) 12.1
(j) 7.1
(k) 11.4

2. 本条の(l)、(m)、(n)、(o)、および(p)はWCAG 1.0と異なるものである。 WCAG 1.0、レベルA(すべてのプライオリティ1チェックポイント)に準拠したウェブページは、本条の(l)、 (m)、(n)、(o)、および(p)に適合していなければならない。 WCAG 1.0はhttp://www.w3.org/TR/1999/WAI-WEBCONTENT-19990505 で入手できる。

第1194部第23条 電子通信プロダクト

(a)音声通信は可能だが、それ自体にTTY機能を備えていない通信プロダクトおよび通信システムは、TTY用の標準的な非音響接続ポイントを備えていなければならない。ユーザーが音声とTTYを併用できるように、マイクロフォンはオンとオフを切り替えることができなければならない。

(b)音声通信機能を搭載した通信プロダクトは、特定の製造業者に依存しない、非独自の、標準的で、一般的に使用されているすべてのTTY信号の通信規約に対応しなければならない。

(c)ボイスメール、オートアテンダント、双方向音声応答通信システムは、TTYのユーザーが個人のTTYでそれらのシステムを使用できなければならない。

(d)ボイスメール、メッセージング、オートアテンダントおよび双方向音声応答通信システムは、一定の時間内にユーザーが応答することを求める場合、ユーザーに対し、タイムリミットが近づいたことを警告し、また時間の延長を必要とすることを指示するための十分な猶予をユーザーに与えなければならない。

(e)発信者番号通知サービス(CID)および類似の通信機能が提供されている場合、その機能はTTYユーザーおよびディスプレイを見ることのできないユーザーにも利用できるものでなければならない。

(f)通信プロダクトは、伝送される音声信号を最大ゲイン20 dBまで調整および増幅できなければならない。段階的音量調節装置では、中間レベルの少なくとも1つが12 dBゲインでなければならない。

(g)ユーザーが受信音量を調整できる通信プロダクトでは、使用終了ごとに毎回自動的にデフォルトの音量にリセットされる機能が備えられていなければならない。

(h)通常耳に当てて使用する音声トランスデューサーによって出力する通信装置では、補聴技術と連繋するための効果的な磁気無線接続機能を備えていなければならない。

(i)補聴技術の利用者が通信プロダクトを使用できるようにするため、補聴技術(補聴器、人工内耳、補聴支援装置を含む)への干渉は可能な限り低く抑えなければならない。

(j)情報またはコミュニケーションを伝達または処理するプロダクトは、使用可能なフォーマットで情報またはコミュニケーションを送るために必要な、特定の業者に依存しない、非独自の、業界標準のコード、翻訳プロトコル、フォーマット、その他の情報を伝えるものでなければならない。エンコード、信号の圧縮、フォーマットの変換、あるいは類似の他の技術を利用する電子情報技術は、情報へのアクセスに必要な情報を削除してはならず、受信時には必要な情報を復元しなければならない。

(k)機械的に操作可能なコントロール装置およびキーを有するプロダクトは、次の各項目に準拠しなければならない:

(1)コントロール装置やキーは、触覚によって識別できなければならないが、触れることによってそれらの機能が起動してはならない。

(2)コントロール装置とキーは、片手で操作できなければならず、強く握ったり、つまんだり、あるいは手首をねじる必要があってはならない。コントロール装置およびキーを実行するために必要な力は、最大で5ポンド(22.2 N(ニュートン)) とする。

(3)キーリピートが可能な場合、そのリピートまでの待ち時間を最短で2秒までに調整できなければならない。キーリピート間隔は、1文字あたり2秒に調整できなければならない。

(4)すべてのロックまたはトグル式のコントロール装置およびキーは、その状態をすべて視覚的に識別できなければならない。また触覚または聴覚のいずれかによってそれを識別できなければならない。

第1194部第24条 ビデオおよびマルチメディアプロダクト

(a)13インチ以上のアナログテレビ用ディスプレイおよびテレビ受像器またはディスプレイ回路つきのコンピュータ装置は、地上波放送、ケーブル、ビデオテープ、DVD信号からのクローズドキャプションを適切に受信し、デコードし、表示するキャプションデコーダ回路が備わっていなければならない。但し、遅くとも2002年7月1日までに、表示画面つきで販売されているかどうかに関わらず最低縦7.8インチのワイドスクリーンデジタルテレビ(DTV)画面、最低縦13インチの従来型画面を備えたDTVセットおよび独立型のDTVチューナーおよびDTV受信機またはディスプレイ回路つきのコンピュータ装置には、地上波放送、ケーブル、ビデオテープ、DVDからのクローズドキャプションを適切に受信し、デコードし、表示するキャプションデコーダも備わっているべきである。

(b)コンピュータに使用するチューナーカードを含むテレビチューナーには、副音声プログラムの再生回路が備わっていなければならない。

(c)連邦政府機関の任務遂行をサポートするすべてのトレーニング用および情報提供用ビデオ並びにマルチメディアプロダクトは、そのフォーマットにかかわらず、内容の理解に必要な話し言葉その他の音声情報が含まれている場合、オープンまたはクローズドキャプションを付けなければならない。

(d)連邦政府機関の任務遂行をサポートするすべてのトレーニング用および情報提供用ビデオ並びにマルチメディアプロダクトは、そのフォーマットにかかわらず、内容の理解に必要な視覚的情報が含まれている場合、音声による解説を付けなければならない。

(e)代替テキストによるプレゼンテーションまたは音声による解説は、それが永久的なものでない限り、ユーザーが選択できなければならない。

第1194部第25条 コンテンツ内蔵、クローズドプロダクト

(a)コンテンツ内蔵、クローズドプロダクトは、障害を持つエンドユーザーがプロダクトにユーザー支援技術を取り付けることなく使用できなければならない。個人が音声を聞くための個人用ヘッドセットは、ユーザー支援技術とはみなされない。

(b)一定の時間内にユーザーが応答する必要がある場合、ユーザーにその警告を行い、時間の延長を指示するために十分な猶予をユーザーに与えなければならない。

(c)プロダクトがタッチスクリーンまたはコンタクトセンシティブなコントロール装置を使用している場合、第1194部第23条(k)(1)から(4)に準拠する入力方法を提供しなければならない。

(d)ユーザー識別またはコントロールの方法としてバイオメトリックフォームを使用する場合、ユーザーが特定の生物学的特徴を有さずに利用できる代替の個人識別方法または起動方法を提供しなければならない。

(e)プロダクトが音声出力を提供している場合、その音声信号は、個人が音声を聞くための装置を接続可能な業界標準のコネクタによって、基準を満たす信号レベルで出力されなければならない。プロダクトは、音声をいつでも中断、一時停止、および再スタートできる機能を備えなければならない。

(f)プロダクトが公共の場所で音声出力を提供する場合、少なくとも65 dBのレベル以上まで出力を増幅できる段階的音声調節装置を備えていなければならない。周囲の騒音レベルが少なくとも45 dBを越える場所では、騒音より少なくとも20 dB高い音量ゲインをユーザーが選択できなければならない。プロダクトは、使用終了ごとに毎回音量をデフォルトレベルに自動的にリセットする機能を備えなければならない。

(g)情報の伝達、動作の表示、応答の促し、あるいは視覚的要素の識別を行う唯一の手段としてカラーコードを用いてはならない。

(h) ユーザーが色とコントラストの設定を調整できる性能をもつプロダクトは、コントラストレベルの調整が可能となるような多様な色の選択肢を提供しなければならない。

(i)プロダクトは、2 Hz超55 Hz未満の周波数帯で画面上でちらつきが発生しないように設計されなければならない。

(j)自立型で、携帯用ではなく、1箇所で使用するように設計され、操作の可能なコントロール装置を備えているプロダクトは、以下の各項に準拠しなければならない:

第1194部第26条 デスクトップおよびポータブルコンピュータ

(a)すべての機械的に操作可能なコントロール装置とキーは、第1194部第23条(k)(1)から(4)に準拠しなければならない。

(b)タッチスクリーンまたはタッチ操作のコントロール装置を使用するプロダクトは、第1194部第23条(K)(1)から(4)に準拠する入力方法を備えていなければならない。

(c) ユーザー識別またはコントロールの方法としてバイオメトリック技術を使用する場合、ユーザーが特定の生物学的特徴を有さずに利用できる代替の個人識別方法または起動方法を提供しなければならない。

(d)拡張スロット、ポートおよびコネクタが備えられている場合、それらの各種類について少なくとも1つずつが、一般に公開されている業界標準に準拠していなければならない。

C節-機能のパフォーマンス基準

第1194部第31条 機能のパフォーマンス基準

(a)操作と情報検索のために、ユーザーの視覚を必要としないモードを少なくとも1つ提供するか、全盲もしくは視覚障害者が使用するユーザー支援技術に対応しなければならない。

(b)操作と情報検索のために、連繋して機能するかまたは単独に機能する音声出力および拡大文字の出力による20/70超の視力を必要としないモードを少なくとも1つ提供するか、視覚障害者が使用するユーザー支援技術に対応しなければならない。

(c)操作と情報検索のために、ユーザーの聴覚を必要としないモードを少なくとも1つ提供するか、聴覚障害者もしくは難聴者が使用するユーザー支援技術に対応しなければならない。

(d)プロダクトを使用するために音声情報が重要な場合、操作と情報検索のために、少なくとも1つのモードを音響的に強化された方法として提供するか、補聴装置をサポートするユーザー支援技術に対応しなければならない。

(e)操作と情報検索のために、ユーザーの音声を必要としないモードを少なくとも1つ提供するか、障害者が利用するユーザー支援技術に対応しなければならない。

(f)操作と情報検索のために、微妙な身体の動きの制御や同時的な動きを必要とせず、手の届く距離と力の強さに制約があっても操作可能なモードを、少なくとも1つ提供しなければならない。

D節-情報、ドキュメンテーションおよびサポート

第1194部第41条 情報、ドキュメンテーションおよびサポート

(a)エンドユーザーに提供するプロダクトのサポートドキュメンテーションは、要求があれば、追加の費用を請求することなく、代替のフォーマットでただちに提供しなければならない。

(b)エンドユーザーが、プロダクトのアクセシビリティ機能または互換性の機能に関する説明を代替のフォーマットまたは代替の方法で要求した場合、追加の費用を負担せずに、これらにアクセスできなければならない。

(c)プロダクトサポートサービスは、障害のあるエンドユーザーとコミュニケーションが必要な場合、これに対応できなければならない。